文庫を手に取り、読んでもらうためのきっかけをつくるべく、ナツイチキャンペーンのキャラクターである蒼井優さんにカバーにも登場していただきました。ただそこに佇んでいるだけで ” 文庫 ” にフィットし、古典的な風情、現代的なトーン、どちらにも通ずる存在感を表現できる方なので、無理なく受け入れてもらえるだろうという確信もありました。
デザインにあたっては、多くのファンを持つ、日本を代表する文学作品のカバーなので、ただ単に売るためのインパクトを狙った安易な印象に見える事のないよう、それに相応しいクオリティのあるカバーにすることを目指しました。
それぞれの作品のイメージに沿いながらも限定してしまわないような状況設定とロケーションとスタイリングの検証、また、小さな文庫本にもかかわらず撮影時のフィルムは8×10を使用、重要なキャッチとなるタイトルと作家名が写真と共存し、お互いを引き立て合うようなバランスの考察、など、徹底的にこだわって取り組みました。